古民家再生協会の小野寺です。
7月中旬から総合調査を行ったお宅の工事が本格的に始まりました!
↑上の写真は解体後すぐの写真です。
柱だけを残し、床は取り払って工事を行います。
大きな工事をする場合、ほとんどの家の床下はここまで解体します。
理由は、根太(ネダ)や束(ツカ)は、消耗品だからです。
耐用年数が過ぎていたり、シロアリにやられていたりすると全て解体することになります。
そして、綺麗に直して100年200年使えるように工事をしていきます。
↑上の写真はシロアリに食われた木の写真です。
シロアリは湿気の多い暗い場所を好むので、床下はまさしく大好物な場所なのです。
では、シロアリが好む木材はどのような木でしょうか?
主にシロアリが好む木材は、柔らかい木で「マツ材、モミ材、SPF材、ホワイトウッド」などと言われています。
また、「スダジイ、タブノキ」などの硬い広葉樹はシロアリが好まない木と言われています。
実際に上の写真のように、シロアリにの被害があった木はマツの木でした。
↑上の写真は、蟻道(ギドウ)というシロアリが通る道です。
シロアリは自分の好みの木材に到達するまで道を作り、誰にも見つからずに木材にたどり着いているのです。
この蟻道を見つけた際は、要注意です!
床下のシロアリは、こまめな消毒で対策しましょう。
では、もし柱がシロアリに食われていたらどうするでしょうか?
柱がシロアリに食われていても、「全部を新しくする」必要はないのです。
食われて腐っている部分を切り取り、根継ぎというものをします。
根継ぎとは、柱の一部分だけを切り取り、切り取った部分に新しい木を継ぎ足すことです。
そうすることで「一部分だけ取り替える」だけで済むのです。
↑上の写真は、柱を上げるために両脇からジャッキで梁を上げている写真です。
このように古民家でも床の高さを上げることも可能です。
古民家の解体は、耐用年数やシロアリの問題から解体してしまう部分も多くありますが、反対にきれいに残っていると解体せず再利用といった形で残せるものもたくさんあります。
すべてを解体するのではなく、「使えるものは使おう」ということが古民家の素晴らしいところではないかと思います。
解体が終わり、職人さんの知恵と技術が詰まった古民家の工事がいよいよ始まろうとしています。
また近況報告しますので、ぜひ見に来てくださいね!