古民家再生協会の小野寺です。
古民家の修繕や再生では、屋根や外壁の見た目だけでなく、雨樋の整備もとても大切です。
雨水をきちんと受け流せるかどうかで、建物の寿命が大きく変わるからです。
今回は、その雨樋を支える金具「鶴首(つるくび)」についてご紹介します。
鶴首金具は、軒先から伸びる曲線が鶴の首に似ていることから名付けられました。
見た目に趣があるだけでなく、瓦屋根の出や古民家特有の深い軒にも対応しやすい形状になっています。
直線的な金具と違い、勾配をうまく調整できるため、雨水をスムーズに流すことができます。
古民家では、屋根の形や軒の長さが一棟ごとに異なるため、金具の選び方が重要です。
鶴首金具を用いることで、建物の雰囲気を損なわずにしっかりと雨樋を支えることができるのです。
今回の工事でも、既存の金具を外し、新しく鶴首金具を取り付けます。
普段はあまり気にされない部分ですが、建物を守る大切な役割を担っています。
古民家の良さを活かしつつ安心して暮らせるよう、こうした細部の工事も大切にしていきたいと思います。

