古民家再生協会の小野寺です。

 

今回は柱の根継ぎについて紹介します。

根継ぎとは、「柱の下部がシロアリなどによって腐っているとき、その部分を切り取り新しい木材に変え補強すること」です。

 

皆さんはリフォームしようと思い解体したら、下の写真のように柱の下部がシロアリなどによって腐っていたことはありませんか?

湿気がよく溜まる床下では、シロアリに侵食されていることがあります。

普段は床下が見えないので柱が腐っていると感じることはありませんが、いざ解体してみるとこのようになっているケースも少なくありません。

 

ではこのような柱はすべて変えないといけないのでしょうか?

実はそうでもありません。

これは「金輪継ぎ」という柱の継ぎ方です。

柱の腐っている部分を切り取り、新しい木材を取れないように継いだものです。

 

伝統的な継手の中でも接合部がしっかり噛み合う構造になっているので、強度が非常に高いものになっています。

釘やボルトを一切使わず柱を継ぐので、見た目も美しく古民家や寺院などの伝統的な木造建築で使われます。

ただ、構造が複雑で手作業でないと作ることができません。

上の写真は、新しく足す部分を加工したものです。

すべて手作業で行っており、鑿(のみ)などの工具を使い加工しています。

 

金輪継ぎは日本の大工さんの伝統的な技法であり、その強度や美しさは現代にも受け継がれています。

それでもこれができる大工さんは年々減ってきているようですので、伝統的な大工技術に興味のある方は、ぜひ深く学んでみてはいかがでしょうか?

このブログで少しでも興味を持っていただけたら幸いです。