古民家再生協会の小野寺です。
茅葺き屋根の縄を結ぶ作業を行いました。
今回行ったのは、築130年ほどの立派な茅葺き屋根のお家です。
↑工事前の写真
木材と木材を結んであった縄が解けて、片方が下へ落ちてしまいました。
茅葺屋根はお椀のようになって全体で屋根を支えているので、落ちてくる心配はなかったものの気になるということで、
補修工事を依頼してくださいました。
↑出来上がった写真です。
時間が経っており少しずつ垂れ下がってきている中、内側から押し上げる必要がありましたが、
しっかり縄で固定する事ができました。
【茅葺き屋根について】
茅を束にして並べることで、断熱性・保温性・雨仕舞い・通気性・吸音性を兼ね備えています。
また、耐久性にも優れており耐用年数は20年~30年と言われています。
ただ、すでに現代では一般住宅に使われていないことから、施工できる業者が少ないです。
茅葺き屋根が残っている住宅はとても貴重です。
後世に残していくためにも、しっかり補修していくことが大切です。
また、写真にある木は本来の木の色ではなく、黒っぽい色になっています。
これは「煤(スス)」と呼ばれるものです。
囲炉裏やかまどの煙で燻されることによって黒くなっていきます。
この「煤(スス)」は、防虫効果をもたらし、また更に部屋の中で火を焚くことで家に使われている木材を乾燥させて湿気を取り除いてくれる効果があります。
【結び方】
二か所の部分は、「男結び」という方法で結びました。
男結びは、しっかりと結べて緩みにくく、強度もあって見た目も美しいのが特徴です。
たくさんの結び目がある茅葺屋根は、結ぶことは大変ですが、補修すれば長く使うことができます。
これから長持ちさせていくためにも、メンテナンスがとても大事であることがよくわかりました。
メンテナンスを行い、茅葺屋根という貴重な資産を後世に残していきましょう!